本日は、人財企画課のTさんによる連載コラム、「ホスピタリティの基本」をお届けします✨

この連載では、応対接遇の名物講師であるTさんが、ホスピタリティの心についてお伝えします。

今回のテーマは、「研修から学んだこと」です。

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今回は、I市役所で応対研修を実施して、「学び」や「気づき」となったことを2つの視点からお伝えします。
ひとつは「生活の知恵」として、もう一つは「応対面」からお伝えいたします。

1. 住民票などの書類は、登庁せずともコンビニで発行できる✨(生活の知恵)

コンビニで住民票を発行できることは、すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、ロールプレイがとても印象的だったので、皆さんにもその時の様子が伝わるようにお話しします。

ロールプレイのテーマは「相手を思いやる心」で、クレーム、またはそれに近い状況に遭遇したときに、クレームを言ってこられた方だけでなく、一緒に働くメンバーに対しても思いやる心を持った対応となるような応対ロールプレイを考えます。

このグループが考えた状況は、閉庁間際に訪れた夫婦が「住民票」の発行を申請します。
対応したスタッフが、今日の発行は時間的に無理であることを伝えますが、「なんとか出してほしい」と言って引き下がりません。
困惑してしまうスタッフ、そこに救いの手が差し伸べられるという設定です。

救世主役となるスタッフは、やわらかい口調で、ご夫婦の気持ちにも寄り添って対応しますが、住民票を今日発行することはできない旨は、きっぱりと告げます。

しかし、そこで欠かさず代案を提示します。

「マイナンバーカードをお持ちですか。お持ちでしたら、登庁せずにコンビニで発行することができるのですが」と。

これを聞くと、それまで頑なだったご夫婦の表情がふっと和み、「あら、そうなの。それはいいわね」と状況が好転していくというロールプレイでした。

4人メンバーそれぞれが、臨場感たっぷりの演技で、夫婦役のお二人は声を荒げるようなことはないのですが、何としても発行してほしいと、あの手この手で訴えてきます。
その粘り強さは、何度かこういう状況を経験されたのかな、と思わせるほどの迫力がありました。

そして、しどろもどろになって無言になってしまっている最初の対応者の迫真の演技には、私も感情移入して、思わず顔がこわばってしまうほどでした。

そこに、静かに柔らかな笑顔の表情で現れたスタッフは、ご夫婦の気持ちをくみ取りながらも、できない旨はきっぱりと告げます。

しかし、そのまま放置してしまうのではなく、代案を見つけて伝えることで場が和み、パニックになりそうだった対応者もほっと胸をなでおろす。そして最後はみんなが笑顔になる。という発表で、見ている私たちをうならせるような素晴らしいロールプレイでした。

「相手の心に寄り添う応対」を見事に演じたメンバーに対して、大きな拍手が沸き起こったのは、言うまでもありません。

そして私はふと我に返り、「そうか!マイナンバーカードがあれば、わざわざ市役所に行かなくてもコンビニで発行できるんだ」と、ぽん!と膝をたたいたのでありました。

でも一つ、落とし穴がありました。
コンビニは24時間営業しているところが多いですが、コンビニで住民票などを発行できるのは、12月29日~1月3日を除く、6:30~23:00が基本(*)だそう。
いつでも発行できるわけではないのですね。
(*システムメンテナンスなどもあるかもしれませんので、事前に自治体のHPなどをご確認のうえコンビニへ行かれることをお勧めします)

2. 美しい佇まい🌸(応対面からの気づき)

2つ目の「応対面から気づいたこと」は、私がコラム「美しい佇まい」でお伝えした内容を、このメンバーが再現してくださったことです。

発表を決める順番で、さっと一番に挙手をされた4名(男性1、女性3)は、研修室一番後ろの席でした。立ちあがった後、4人がほぼ同時に椅子を座席にきちんと収めて登壇されました。
とても自然なふるまいでした。

4名の座席はきちんと整い、発表を終え戻ってくる主を静かに待つかのような美しい佇まいを見せていました。

身についた美しい所作は、その人がいた空間も美しく見せ、このような発表の場面でも素晴らしい成果を生み出すのだなと感心し、同じ時間を過ごせたことをとても幸せに感じました。

いかがでしたか。
次回は、「新入社員を迎える準備はできていますか」というテーマでお伝えします。

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応対研修からもいろいろな学びがありますね。
そのひとつひとつを感じ取るTさんの感性も素敵です。
それでは次回のコラムもお楽しみに✨