チャイルド・ケモ・ハウスって?

皆様、「チャイルド・ケモ・ハウス」はご存じでしょうか。

昨年、日本データーの有志が参加したチャリティーウォーク(記事はこちら)で、チャイケモを知った方もおられるでしょうか。

神戸市のポートアイランドにある「チャイルド・ケモ・ハウス」(愛称:チャイケモ、チャイケモハウス)は、2013年に建設された、「小児がんや難病の子どもとご家族のための滞在施設」で、近隣の高度医療機関で治療を受けるため全国各地から訪れる子どもさんと、そのご家族が滞在されています。
子どもの入院中にお母さんやお父さん、きょうだい児さんが、また、一時帰宅を許された子どもさんが滞在したりなどもする、大切な場所です。

神戸市立医療センター中央市民病院のすぐ北側にあります🏡
チャイケモハウスは、神戸市と尼崎市より小児慢性特定疾病児童等自立支援事業を委託されています。ハウス滞在の方のためのスペースだけでなく、地域で過ごすお子さんや子どもたちにも開放される「よりみちスペース」もあります。
ご利用者様の用途によってお部屋のタイプはさまざま。各部屋から直接外に出られる玄関もあります。

当社が昨年のチャイケモウォークの協賛をし、ウォークに有志で参加させていただいた際、チャイケモの現理事の田村さんに詳しくハウスのお話を伺い、「ぜひ何か力になりたい」「喜んでいただけるご支援をさせていただきたい」という気持ちが膨らみました。

後日、ハウスの見学をさせていただきながら、今後日本データーとしてチャイケモのご支援をさせていただくにあたり、寄付やウォークへのご協力はもちろんですが、それ以外に何ができるかのご提案とご相談をさせていただいたところ、【あのねサポーター養成講座】という取り組みをされていることを教えていただきました。  

【あのねサポーター】って?

あのねサポーターは、チャイケモが2021年から始めたプロジェクトです。

病気や障がいをもつ子どもとご家族が、地域のいろいろな場所で、困ったことや思っていることを気軽に話せるように。当たり前のことを、当たり前に大切にできるように。
地域の中で「病気の子どもたちやご家族のそばに、安心して分かり合える人の輪を広げていきたい」との想いからはじめられました。

チャイケモハウスのスタッフ(保健師・自立支援員)の方々が優しく丁寧に進行してくださいます🐸

講座では、重い病気や障がいを持つ子どもやご家族が、入院中や退院後、どんなふうに生活しているのか、どんな気持ちになるのかを、実際にお子さんの闘病生活を支えてこられた方が語ってくださいました。
「みんなのあのね」という当事者の経験談がまとめられたテキストや、そのテキストに載っている方々の当時の気持ちをグラフにしたスライドにより、私たちが視覚的にも理解することができるように構成されていました。

  • バスに乗るとき「スロープお願いします」と伝えたが「そのまま乗せられへんかなぁ」と言われた。時間がかかることで周りのお客さんが気になり怖く感じた。
  • 外食中にパニックが起きたので、食事を諦め落ち着かせるためにその場から退避せざるを得ない時に「何てもったいないことを」と言われた。
  • 娘が電車でパニックを起こし大絶叫して泣いてしまった時、向かいのスーツの男性がわかりやすく口角を上げて「大丈夫ですよ」のサインを送ってくださり、とてもありがたかった。
  • プールに行った時に監視員さんから、「何か困ったことがあったら言ってくださいね」と声をかけてもらえて嬉しかった。

「みんなのあのね」より抜粋。その他、自分自身が病気だった子ども時代の当時の気持ちを書いてくれている人も。

どんな「あのね」があるのか、いろんな人の立場になって想像し、参加者が意見を出し合います。

子どもとご家族の力にはなりたいけれど、事例や特徴を知り「そんな大変な状況の子どもたちや家族の力になれるかな」「分からない相談をされたらどうしよう」と思う方もいると思います。
しかし、あのねサポーターの役割は、子どもとご家族が「何でも話せる存在」であることで、専門的なことをアドバイスする必要はありません

子どもとご家族と接する上で、悩みや不安が出てきた時は、医療者や教育関係者、家族の闘病経験者で構成されている「あのねサポーターplus」という専門家たちに、いつでも相談に応じてもらえます。

一人ひとりが、今までよりほんの少し想像の幅を膨らませ、相手の気持ちに寄り添うことが、病気や障がいを持つ子どもやご家族の支えになる。そして、誰もが暮らしやすい社会になっていく。
あのねサポーターにご興味を持たれた方は、以下のリンクで情報を得て、ぜひ受講してみてください!

あのねサポーター

受講者には、受講後に「あのねバッジ」が配布され、これをつけていることで、安心して気軽にお話ができる存在であること(あのねサポーター)の表明ができます。※常にバッジを付けておく必要はありません。医療機関、教育現場や行政機関、ボランティア、その他地域の中で子どもと関わるときなど、それぞれの生活の中で活用してもらえたらというものです。